経営・管理
法人化で何が変わる?メリットや法人化の判断基準と失敗しないためのポイントを徹底解説
事業を続けていると、法人化したほうがよいのかと悩む場面に直面するかもしれません。
特に、売上や利益が伸び始めると、税負担や資金調達、取引先からの信用など、個人事業のままでは限界を感じるでしょう。
法人化には、税金面で有利になる可能性や社会的信用の向上、事業と個人の責任を分けられるといった多くのメリットがあります。
一方で、設立費用や事務負担が増えるなどの注意点もあります。
そこで本記事では、法人化で個人事業主と何が変わるか、法人化するメリットやデメリットを紹介します。
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個人事業主と法人の違い

事業を継続していると、「個人事業主のままでよいのか」「法人化すべきか」という悩みに直面するでしょう。
どちらも事業を行う形態である点は共通していますが、法律上の位置づけや税金の仕組み、社会的な評価には大きな違いがあります。
これらを正しく理解しないまま法人化を進めると、期待していた効果が得られないかもしれません。
では両者にどのような違いがあるのか、個人事業主と法人の主な違いを比較した以下10項目についてみていきましょう。
| 個人事業主と法人の主な違い | ||
| 項目 | 個人事業主 | 法人 |
| 法的な立場 | 事業者=個人 | 個人とは別の法人格 |
| 設立手続き | 開業届のみ | 定款作成・登記が必要 |
| 設立費用 | ほぼ不要 | 約20万円前後かかる |
| 税金の仕組み | 所得税(累進課税) | 法人税(原則一定税率) |
| 社会的信用 | 比較的低い | 高い評価を得やすい |
| 資金調達 | 融資が中心 | 融資・出資の選択肢 |
| 責任の範囲 | 無限責任 | 有限責任 |
| 赤字時の税金 | 原則かからない | 均等割が発生する |
| 経理・税務 | 比較的簡単 | 複雑で専門性が必要 |
| 事業の承継 | 個人に依存 | 引き継ぎしやすい |
個人事業主は、設立が簡単で費用もほとんどかからず、経理や税務の負担が比較的軽い点が特徴になります。
一方で、責任が個人に及ぶため、事業リスクはすべて自己責任です。
法人は設立や維持にコストがかかる反面、税制面で有利になる可能性があり、社会的信用や資金調達力が高まる点が大きな強みになります。
また、事業と個人の責任を分けられるため、将来的な事業拡大や承継を見据える場合にも法人化がおすすめです。
どちらが適しているかは、事業規模や将来の成長戦略によって判断しましょう。
法人化するメリット

法人化には一定の手間や費用がかかるものの、それを上回るメリットが得られるケースも多くあります。
特に、事業規模が拡大し、売上や利益が安定してきた段階では、法人化が経営戦略の一つとなるでしょう。
ただし、メリットは事業内容や状況によって異なります。
本章では、法人化によって得られる代表的なメリットを見ていきましょう。
税負担の軽減
法人化の大きなメリットの一つが、税負担を抑えられる可能性がある点です。
個人事業主に課される所得税は累進課税であり、利益が増えるほど税率も高くなります。
| 所得税の速算表 | ||
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
一方、法人税は一定の税率が適用され、事業所得が800万円以上になる場合に一律23.2%となります。
個人の所得税率は900万円を超えると33%となり、事業所得が900万円超の場合は個人所得税率よりも法人税率の方が低いです。
| 区分 | 適用関係(開始事業年度) | ||||||||
| 平28.4.1以後 | 平30.4.1以後 | 平31.4.1以後 | 令4.4.1以後 | 令7.4.1以後 | |||||
| 普通法人 | 資本金1億円以下の法人など(注1) | 年800万円以下の部分 | 下記以外の法人 | 15% | 15% | 15% | 15% | 15% (17%/*2) | |
| 適用除外事業者 | 19% (*1) | 19% (*1) | 19% (*1) | ||||||
| 上記以外の普通法人 | 23.40% | 23.20% | 23.20% | 23.20% | 23.20% | ||||
*1 平成31年4月1日以後に開始する事業年度において適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。以下同じです。)に該当する法人の年800万円以下の部分については、19パーセントの税率が適用されます。
*2 令和7年4月1日以後に開始する事業年度において、所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分に適用される税率は17パーセントとなります。
さらに、法人では損失の繰越控除など、税務上の選択肢も広がります。
ただし、必ずしも法人化すれば税金が下がるわけではありません。
事前に試算を行うようにし、自社の利益水準に合うかの見極めは慎重にしましょう。
社会的信用が高まり取引先が広がる
法人化の大きなメリットの一つが、社会的信用の向上です。
株式会社や合同会社といった法人格を持つと、事業の継続性や組織としての信頼性が高いと評価されやすくなります。
個人事業主の場合、事業の実態や規模が見えにくく、取引先から慎重に判断されるケースも少なくありません。
一方、法人は登記情報が公開されており、所在地や代表者、設立年月日などが確認できるため、取引の安心材料になります。
結果、法人でなければ取引できない企業や大手企業との契約が可能になり、業務委託や継続的な取引につながる機会が広がります。
信用力の向上は、売上拡大や事業成長の土台となる重要な要素です。
事業と個人の責任を分けられる
法人化すると、事業上の責任と個人の責任を明確に分けられる点が大きなメリットです。
個人事業主の場合、事業で発生した借入金や損害賠償などの責任は、原則としてすべて個人が負うことになります。
そのため、万が一トラブルが生じた際には、個人資産にまで影響が及ぶリスクがあります。
一方、法人では「法人」と「個人」は法律上別の存在として扱われます。
出資額の範囲内で責任を負う仕組みが基本となるため、個人資産を守りやすくなります。
もちろん、代表者としての責任が完全になくなるわけではありません。
しかし、リスクをコントロールしやすくなる点は、事業を継続・拡大していくうえで大きな安心材料となります。
経費算入の幅が広がる
法人化により、経費として認められる範囲が広がる点も重要なメリットです。
個人事業主でも経費計上は可能ですが、生活費との区分が曖昧になりやすく、税務上の判断が厳しくなるケースがあります。
法人の場合、代表者への役員報酬や退職金、生命保険料、社宅制度の活用など、法人特有の経費処理が可能になります。
これにより、利益を適切に圧縮し、法人税の負担を調整することができます。
また、家族を役員や従業員として雇用し、報酬を支払うことで所得分散を図ることも検討できます。
正しく制度を活用すれば、手元に残る資金を増やし、事業の成長に再投資しやすくなる点が法人化の魅力です。
資金調達がしやすくなる
法人化すると、金融機関や投資家からの資金調達がしやすくなります。
個人事業主の場合、融資の審査は個人の信用力や収入状況に大きく左右されてしまいます。
しかし、法人では事業計画や決算書をもとに、会社としての信用力が評価されます。
特に、設立後に地道に実績を積み上げていけば、融資枠の拡大や金利条件の改善が期待できるでしょう。
また、法人なら、日本政策金融公庫や自治体の制度融資、補助金・助成金など、法人向けの支援制度を利用できるケースも増えます。
十分な資金調達手段を確保できれば、設備投資や人材採用、新規事業への挑戦もしやすくなり、事業成長のスピードが速まるでしょう。
関連記事:会社の資金繰りが厳しいときに取るべき対応策!資金調達の種類も解説
法人化するデメリット

法人化には多くのメリットがありますが、同時に無視できないデメリットも存在します。
特に、コスト面や事務負担の増加は、事業規模が小さいうちは重荷になるかもしれません。
もしメリットだけに注目して、法人化してしまうと、後悔する可能性もあります。
そこで本章では、法人化によって生じやすい代表的なデメリットをみていきましょう。
設立費用と維持コストがかかる
法人を設立するには、まず初期費用が発生します。
株式会社の場合、定款認証手数料や登録免許税などを含めると、一般的に20万円前後の費用が必要です。
合同会社であっても、個人事業の開業に比べれば負担は大きくなります。
さらに、税理士や社会保険労務士に業務を依頼する場合は、顧問料などの固定費も発生します。
たとえば、決算申告を税理士に依頼すると年間20万〜30万円程度の費用がかかる場合も。
社会保険への加入により、役員1人でも毎月数万円の保険料負担が生じるケースがあり、想定以上に固定費が増える点も見落とせません。
売上規模が小さい段階で法人化すると、これらのコストが利益を圧迫し、かえって資金繰りを悪化させる可能性がある点に注意が必要です。
事務手続きや税務が複雑になる
法人化すると、事務手続きや税務処理が個人事業主よりも大幅に複雑です。
まず、法人は決算書の作成や法人税申告が必要となり、会計処理を正確に行う必要があります。
加えて、役員報酬の設定や変更にはルールがあり、個人事業のように自由にお金を引き出すことはできません。
また、社会保険への加入が原則として義務付けられるため、保険料の計算や手続きも必要です。
これらをすべて自力で対応するのは難しく、専門家に依頼するケースが多くなりますが、その分コストも増加します。
事務作業に割く時間が増えると、本来注力すべき営業やサービス改善に支障が出る可能性もあるでしょう。
赤字でも税金が発生する
法人化の大きなデメリットのひとつが、赤字であっても一定の税金が発生する点です。
個人事業主の場合、所得がなければ所得税や住民税の負担はほとんどありません。
しかし法人では、たとえ利益が出ていなくても、法人住民税の「均等割」を毎年支払う必要があります。
この均等割は、資本金や従業員数、自治体によって金額は異なりますが、最低でも数万円程度です。
創業初期や売上が安定していない段階では、この固定的な税負担が重く感じられるでしょう。
赤字が続くと、税金に加えて社会保険料や維持コストも重なり、資金繰りが一気に厳しくなる可能性があります。
法人化は黒字化の見通しや資金余力を踏まえて慎重に判断しましょう。
法人化した方がよいケースとしない方がよいケースとは

法人化はすべての事業者にとって最適な選択とは限りません。
事業規模や利益水準、働き方によって、向き不向きがあります。
適切なタイミングは、自社の状況を客観的に把握して見極めましょう。
本章では、法人化が向いているケースと、個人事業主のままが適しているケースを整理します。
法人化したほうが良いケース
法人化した方がよいケースは以下のようなケースです。
利益が安定して一定額を超えている場合
毎年の利益が安定して増え、一定水準を超えている場合は、法人化を検討する価値があります。
2章で解説したように、個人事業主の所得税は累進課税のため、利益が増えるほど税率が高くなります。
一方、法人税は原則として一定税率で計算されるため、利益が大きくなるほど税負担を抑えやすくなります。
さらに、法人化により経費として認められる範囲が広がることもあり、結果として手元に残る資金が増える可能性があります。
節税を目的とした法人化は、利益水準が安定していることが前提条件といえるでしょう。
自社に最適な法人化の検討は、専門家に相談すると安心です。
ご相談は、税理士法人Farrow Partnersまでお気軽にお問合せください。
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取引先から法人格を求められている場合
事業の拡大に伴い、取引先から法人であることを条件にされるケースも少なくありません。
特に大企業や官公庁との取引では、法人でなければ契約できない場合もあります。
法人化すると、社会的信用が高まり、取引先の選択肢が広がる点は大きな利点です。
また、契約書や請求書の名義が法人になれば、事業としての信頼性が明確になります。
結果として、単価の高い案件や長期契約につながる可能性も高まるでしょう。
取引先や事業内容の拡大が見えてきた時
取引先の増加や事業規模の拡大が見えてきた段階も、法人化を考える好機です。
法人化によりビジネス上の信頼性が一段と高まり、大手企業や官公庁との取引がしやすくなります。
これらは、一企業との取引に比べて案件規模や取引金額が大きくなりやすく、事業規模が拡大するでしょう。
さらに、複数年契約や継続案件も多く、安定した売上を見込みやすくなります。
法人化によって組織としての体制を整えると、事業運営がスムーズです。
将来的なスケールアップを見据えている場合、このタイミングで法人化を検討するとよいでしょう。
人を雇う・組織化を進める時
従業員を雇用し、組織として事業を運営していく段階も、法人化に適したタイミングです。
法人になると、雇用契約や社会保険の手続きが明確になり、働く側にとっても安心感を与えられるでしょう。
また、代表者と従業員の立場が明確になると、指揮命令系統が整いやすいです。
個人事業主のままでも雇用は可能ですが、責任の所在や制度面で曖昧さが残る場合もあります。
法人化により、事業としての継続性や信頼性を示せると、人材の確保にもつながるでしょう。
組織化を進めたいなら、早めの法人化が経営を安定させるカギになります。
資金調達を本格的に検討する時
資金調達の手段として融資や出資を想定するなら、法人化を視野に入れるべきでしょう。
金融機関は、事業の管理体制や継続性を重視するため、法人のほうが信用評価を得やすい傾向があります。
また、出資を受ける場合は、法人でなければ株式の発行ができません。
資金調達の選択肢を広げるという意味でも、法人化は大きな意味を持ちます。
さらに、事業と個人の責任を分けられるため、大きな投資や新規事業にも挑戦しやすいです。
事業拡大に伴い資金需要が高まった段階では、法人化が強みを発揮するでしょう。
事業を長期的に続けたいと考えた時
事業を短期的な収入源ではなく、長期的なビジネスとして育てたいと考えた時も、法人化の好機です。
法人は個人とは独立した存在のため、代表者が変わっても事業を継続できます。
将来的な事業承継や売却を視野に入れる場合、法人格が前提になるケースも多いです。
また、経営計画や数値管理を明確にすると、経営者自身の意識も変わります。
法人化は、事業に対する覚悟を形にする手段です。
長く安定した事業運営を目指すなら、法人化のタイミングを前向きに検討しましょう。
法人化しないほうが良いケース
法人化しない方がよいケースは以下のようなケースです。
利益がまだ少なく変動も大きい場合
事業を始めたばかりで、利益が安定していない段階では、無理に法人化する必要はありません。
法人を設立すると、赤字であっても法人住民税の均等割など、一定の税負担が発生します。
また、設立費用や顧問税理士への報酬など、固定コストも負担しなければなりません。
利益が少ない状態では、これらの負担が重くのしかかり、資金繰りを圧迫する恐れがあります。
まずは個人事業主として事業基盤を固め、安定した利益の確保を優先しましょう。
事務作業や管理負担を増やしたくない場合
法人化すると、会計処理や税務申告、社会保険の手続きなどが一気に複雑になります。
これらを自分で行うのが難しい場合、専門家に依頼する必要がありますが、時間的・金銭的な負担が増えるでしょう。
本業に集中したい人や、事務作業に割ける余裕がない人にとっては、大きなデメリットになりかねません。
事業規模が小さいうちは、シンプルな運営が可能な個人事業主の形態のほうが、効率的に働ける場合も多いでしょう。
小規模で自由度の高い働き方を重視したい場合
フリーランスや副業として事業を行っている場合、法人化が必ずしも適しているとは限りません。
個人事業主であれば、事業の始動や方向転換が柔軟で、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
法人化すると、会社としての責任や義務が生じるため、気軽に事業を縮小・休止することが難しくなります。
収入よりも自由度や身軽さを重視したい場合は、個人事業主のまま活動するほうが、ストレスなく事業を続けられるでしょう。
関連記事:起業する際に考えておきたいポイント
法人化で失敗しないためのポイント

法人化は、節税や信用力向上など多くのメリットが期待できる一方で、進め方を誤ると失敗したと感じる原因にもなります。
実際、法人化そのものが失敗なのではなく、準備不足や判断基準の誤りによって失敗と感じてしまうケースが少なくありません。
重要なのは、自社の事業規模や将来像を踏まえたうえで、法人化を「目的」ではなく「手段」として位置づける点です。
本章では、法人化を後悔しないために、事前に理解しておくべき実践的なポイントを解説します。
法人化の目的を明確にする
法人化で失敗しないために重要なのは、「なぜ法人化するのか」を明確にする点です。
節税を目的とするのか、信用力向上を狙うのか、資金調達や組織化を見据えるのかによって、取るべき選択は変わります。
目的が曖昧なまま法人化すると、想定していた効果が得られず、負担だけが増えるかもしれません。
また、目的によって最適な法人形態や役員報酬の設計も異なります。
そのため、短期的な税金だけに目を向けず、中長期の事業計画と照らし合わせる戦略が大切です。
法人化は一度行うと簡単には戻せないため、判断の軸を明確にしておきましょう。
売上・利益の水準を冷静に見極める
法人化のタイミングを誤ると、税負担やコスト面で不利になります。
特に注意したいのが、売上や利益が十分でない段階で法人化してしまうケースです。
法人には法人住民税の均等割など、赤字でも発生する固定的な税負担があります。
そのため、利益が不安定な状態では、個人事業主のほうが有利な場合も少なくありません。
単年度の好調さだけで判断せず、過去数年の収支や今後の見通しを踏まえることが重要です。
数字に基づいて冷静に判断すると、法人化後の後悔を防げます。
設立後の維持コストと事務負担を理解する
法人化すると、設立費用にとどまらず、日常的なコストや手続きの負担を考慮しなければなりません。
法人住民税、社会保険料、決算申告の費用などは、個人事業主時代よりも増えるのが一般的です。
また、会計や税務の処理も複雑になり、専門家への依頼が必要になる場合もあります。
これらを想定せずに法人化すると、思った以上に手間と費用がかかると感じやすいです。
法人化前に、年間でどの程度の固定費が増えるのかを把握しておくようにしましょう。
実務面を軽視しないようにすれば、失敗を防げます。
役員報酬や利益配分を適切に設計する
法人化後の税負担は、役員報酬の設定によって大きく左右されます。
報酬を高くしすぎると個人の所得税や社会保険料が増え、低すぎると法人側に利益が残りすぎる可能性が高いです。
また、役員報酬は原則として期中に変更できないため、慎重な設計が必要になります。
目先の節税だけを狙って設定すると、資金繰りが苦しくなるため、法人と個人のバランスを考え、無理のない報酬設計を行いましょう。
事前のシミュレーションが、失敗防止につながります。
専門家に相談しながら進める
法人化は税務・法務・社会保険など、多くの分野が関係するため、自己判断だけで進めるのはリスクがあります。
その時は、税理士や司法書士などの専門家に相談することで、自社に合った法人形態やタイミングを客観的に判断できるでしょう。
また、設立手続きやその後の運営についても、実務的なアドバイスを受けられます。
費用を惜しんで専門家を使わない結果、後から修正に多くのコストがかかるケースも少なくありません。
長期的に見れば、専門家への相談は安心への投資といえるでしょう。
法人化を成功させるためには、第三者の視点を取り入れる点が重要です。
関連記事:起業する際に考えておきたいポイント
まとめ【法人化のメリットを最大限活かすには】
法人化は、税負担の軽減や信用力向上など多くの利点をもたらします。
一方で、コストや事務負担が増える点も無視できません。
メリットとデメリットを比較し、自社の成長段階に合った判断が必要です。
ただ、どのような選択が自社にあっているか判断するのは難しいと思われる方も多いでしょう。
自社に最適な法人化に関するご相談は、税理士法人Farrow Partnersまでお気軽にお問合せください。






