創業計画書の書き方を項目別に解説!記入例と融資担当者に伝わる作成ポイント

資金繰り・資金調達

創業計画書の書き方を項目別に解説!記入例と融資担当者に伝わる作成ポイント

創業計画書の書き方では、各項目に一貫性をもたせることが大切です。事業の魅力だけでなく、創業者の経験、商品・サービス、販売戦略、資金計画、返済見通しが、相互につながっている状態を目指しましょう。

これにより、金融機関に事業の実現可能性と返済力を伝えやすくなります。

そのため、「なぜ売れるのか」「いくら必要なのか」「返済を続けられるのか」を、根拠ある数字と文章で説明することが重要です。

本記事では、日本政策金融公庫の創業計画書の項目ごとの書き方、記入例、説得力を高める確認ポイントを紹介します。

税理士法人Farrow Partnersでは、創業計画書の書き方や必要な項目の整理、売上計画・資金計画の作成について、事業内容に合わせて分かりやすくサポートしています。

「何から書き始めればよいか分からない」「数字の根拠をどう示せばよいか不安」といったお悩みも、開業準備や資金繰りの計画とあわせてご相談いただけます。

創業計画書の作成に不安がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ | 横浜市都筑区の税理士法人 Farrow Partners(ファローパートナーズ)

創業計画書とは

創業計画書とは

創業計画書は、開業前の事業構想を金融機関が客観的に確認できる形に整理する書類です。

日本政策金融公庫などの金融機関に創業融資を申し込む際のほか、自治体の制度融資や補助金申請、開業後の経営管理にも活用できます。

なお、日本政策金融公庫では、創業計画書のフォーマットや記入方法に関する動画公開されています。創業計画書を作成する際は、必要に応じて活用するとよいでしょう。

ここでは、日本政策金融公庫の創業計画書に設けられている主な項目と、作成時に意識したい目的を見ていきましょう。

日本政策金融公庫の書式で見られる項目

日本政策金融公庫の創業計画書には、主に次の欄があります。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係等
  • 従業員
  • お借入れの状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し(月平均)
  • 自由記述欄

これらの項目は一見すると独立した質問のように見えますが、融資審査では各欄の内容が相互につながっているかも確認されます。

過去の経験が事業内容につながり、その事業が顧客に届き、売上・利益・返済へつながる流れを示すことで、計画全体に一貫性が出ます。

書く目的は欄を埋めることではなく返済力を示すこと

創業計画書の目的は、書式の空欄を埋めることではありません。

金融機関が確認しているのは、事業の魅力や開業への意欲だけではなく、借入後に安定して返済を続けられるかどうかです。

そのため、事業内容の説明とあわせて、資金繰りの見通しを具体的に示す必要があります。

融資担当者は、売上が計画どおりに伸びるかだけでなく、予定より遅れた場合でも次の支払いができるかを確認します。

  • 仕入代金
  • 家賃
  • 人件費
  • 広告費
  • 借入金の返済

特に創業直後は売上の入金時期と支払い時期にずれが生じやすく、資金が不足しやすい時期です。

そのため、必要資金の欄では設備資金と運転資金を分けて整理し、事業の見通し欄では売上、原価、経費、利益の計算根拠を説明できるようにしておきましょう。

関連記事:創業融資とは?事業を最速でスタートさせるための資金調達の秘訣を徹底解説

創業計画書の書き方を項目別に解説

創業計画書の書き方を項目別に解説

本記事では、日本政策金融公庫における創業計画書の書式を取り上げながら、項目ごとに書く際のポイントと記入例を解説します。

記入例では、地域に根ざした焼き菓子店を題材にしています。創業計画書の内容を考える際の参考にしてください。

創業の動機は、経験と事業機会のつながりを書く

創業の動機は、なぜこの事業を始めるのか、どのような目的で開業するのかを説明する欄です。

書く際は、次の要素を結び付けて整理しましょう。

  • これまでの職務経験
  • 現場で把握した顧客の困りごと
  • 自分が身につけた技術や知識
  • 開業予定地の需要

過去の経験から市場の課題を見つけ、その課題に対して自分の事業で解決策を提供する流れを示すと、思いつきではない計画として伝わります。

記入例

これまで12年間、洋菓子店やカフェで焼き菓子づくりに携わり、接客や店舗運営にも関わってきました。直近5年間は店長として、月商約850万円、スタッフ15名規模の店舗を任され、地域のお客様に選ばれる店づくりに努めてきました。

創業を考えた理由は、経験を活かし、生まれ育った地域で、近隣住民や働く方が日常的に利用できる焼き菓子店を開業したいと考えたためです。勤務先では、「手土産に使いやすい焼き菓子を近くで買いたい」「子どもにも安心して食べさせられるお菓子がほしい」などの声を聞く機会があり、身近な焼き菓子店への需要を感じていました。

開業予定地は住宅地や商店街、小規模事業所が集まる地域であり、日常のおやつや手土産、職場向けの差し入れなどの利用が見込めます。

創業前には地域イベントで焼き菓子販売を8回行い、1回あたり平均72個を販売しました。LINE公式アカウントで開業案内を希望する見込み顧客を428名獲得しており、開業後の告知に活用します。

経営者の略歴等は、創業後に使える経験を書く

経営者の略歴等は、創業者がその事業を運営できる経験や能力を備えているかを説明する欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書でも、勤務先名だけでなく、担当業務、役職、身につけた技能などの記載が求められています。

勤務先名や在籍年数だけでは、読み手は創業後にその経験をどう活かせるのかを判断しにくくなります。

そのため、開業後の経営に直結する経験を次のように具体的に整理しましょう。

  • 担当していた顧客層
  • 扱っていた商品・サービス
  • 売上管理
  • 仕入管理
  • 採用
  • 現場での責任範囲

また、資格、受賞歴、研修受講歴がある場合は、名称を並べるだけで終わらせないようにします。

資格や実績が今回の事業でどの業務に役立つのかまで添えると、事業遂行能力の説明として伝わりやすくなります。

記入例

年月内容
2016年4月〜2019年3月株式会社〇〇カフェ入社。ホール接客、ドリンク製造、焼き菓子包装、レジ締め、発注補助を担当。接客基本、衛生管理、店舗オペレーションを習得。
2019年4月〜2021年12月同社〇〇店にて菓子製造部門を担当。焼き菓子、タルト、スコーン、ギフト商品の製造、原材料発注、在庫管理を担当。ロス率を月平均4.8%から3.1%へ改善。
2022年1月〜現在同社〇〇店 店長。月商平均850万円、スタッフ15名規模の店舗を管理。シフト作成、採用面接、教育、売上分析、原価管理、SNS販促、法人向け予約販売を担当。季節ギフト施策により、2024年12月の予約販売売上を前年比128%に改善。
2025年4月〜10月創業準備として地域マルシェに8回出店。焼き菓子・コーヒー販売を実施。平均売上8.6万円、LINE登録者428名、リピート購入者42名を獲得。

取扱商品・サービスは、誰に何を提供するかを明確にする

取扱商品・サービスは、事業の売上を生み出す中核を説明する欄です。

ここでは、商品名やサービス名だけでなく、誰に対して、何を、どの価格帯で提供するのかを整理します。

日本政策金融公庫のセルフチェックリストでも、商品・サービス欄では「誰に、何を、いくらで販売するか」の確認が示されています。

書き方のポイントは、商品そのものの説明に加えて顧客が得られる価値を言語化することです。

以下の項目などを整理し、顧客が自社を選ぶ理由を明確にしてください。

  • 機能
  • 品質
  • 利便性
  • 専門性
  • 納期
  • サポート体制など

価格を記載する場合は、単価だけでなく価格設定の根拠も確認しておきましょう。

記入例

■事業内容
焼き菓子の製造販売を中心に、コーヒー、軽食、季節ギフト、法人向け手土産、予約販売を行うカフェ併設型店舗です。

イートインだけに依存せず、テイクアウト、予約販売、法人ギフトを組み合わせることで、平日・休日、昼・夕方、個人・法人の複数需要を取り込みます。

■取扱商品・サービスの内容
①焼き菓子・テイクアウト(スコーン、フィナンシェ、マフィン、クッキー、ギフト箱などを販売します。価格帯は280円〜3,500円です。)売上シェア40%

②カフェ・軽食(コーヒー、ラテ、紅茶などのドリンクに加え、サンド、スープ、セットメニューを提供します。価格帯は500円〜1,400円です。)売上シェア45%

③法人ギフト・予約販売(手土産、退職・異動時のギフト、イベント用の菓子詰め合わせなどを予約販売で提供します。価格帯は3,000円〜30,000円です。)売上シェア15%

■セールスポイント
当店の強みは、焼き菓子を自社で製造することにより、品質、原価、商品改良を一貫して管理できる点です。仕入商品中心のカフェと異なり、季節商品やギフト商品を短いサイクルで企画できるため、リピート購入を促しやすいです。

また、店内飲食だけでなく、テイクアウトと予約販売を重視します。カフェは天候や席数に売上が左右されやすいですが、焼き菓子は持ち帰り需要があり、ギフト化しやすく、法人向けにも提案できます。開業前マルシェで購入者の反応を確認しており、特に「手土産」「差し入れ」「自宅用の週末菓子」としての需要が見込めます。

販売ターゲット・販売戦略は、集客から受注までの流れを書く

販売ターゲット・販売戦略は、どの顧客に、どの経路で商品・サービスを届け、どのように売上へつなげるかを説明する欄です。

書き方のポイントとして、まず、対象となる顧客を絞り込みましょう。

個人向けであれば、以下の項目を整理します。

  • 年齢層
  • 生活圏
  • 悩み
  • 購入頻度
  • 来店しやすい時間帯

法人向けであれば、以下の項目を確認しておくと販売活動の現実味が増します。

  • 業種
  • 企業規模
  • 担当部署
  • 決裁までの流れ
  • 契約更新の可能性

次に、顧客が事業を知る入口から、問い合わせ、見積り、申込み、契約までの流れを整理しましょう。

検索広告、SNS、既存人脈などの集客経路を並べるだけでなく、それぞれがどの顧客層に届き、どのように受注へつながるのかを説明しましょう。

記入例

主な販売ターゲットは、開業予定地周辺に住む30〜50代の女性、子育て世帯、近隣オフィス勤務者、事務所・クリニックなどの小規模法人です。

平日は出勤前のコーヒー、昼休みの軽食、帰宅前の焼き菓子購入を想定し、短時間で購入できる動線や事前予約、キャッシュレス決済を整える方針です。週末は家族利用や手土産需要を取り込み、焼き菓子購入と短時間のカフェ利用を組み合わせます。

法人向けには、案内チラシや試食セットを配布し、退職・異動・年末年始などのギフト需要に対応します。

集客では、SNSやLINE公式アカウントで近隣住民や子育て世帯に新商品・予約情報を発信します。あわせて、検索広告やGoogleビジネスプロフィールで「近くの焼き菓子店」を探す来店見込み客との接点を増やします。

近隣へのチラシ配布や既存人脈を通じて、オフィス勤務者や小規模法人に試食・ギフト案内を行い、店頭購入や事前予約、法人注文につなげる計画です。

競合・市場は、市場の需要と競合との差別化を書く

競合・市場は、自社を取り巻く外部環境とその中でどのように顧客から選ばれるのかを説明する欄です。

競合が多いか少ないかだけで判断するのではなく、どの市場で、どの顧客に、どのような理由で選ばれるのかを整理します。

書く際は、まず市場の需要を確認します。主に次の項目を整理しましょう。

  • 商圏
  • 想定される顧客数
  • 利用頻度
  • 価格帯
  • 近隣の競合状況
  • 業界全体の傾向

これらを踏まえたうえで、自社が勝負する条件を明確にしましょう。市場に需要があっても競合と同じ顧客層に同じ価格帯で参入すると、価格競争に巻き込まれる恐れがあります。

そのため、自社がどの部分で差別化できるのかを具体的に示す必要があります。

次に、競合と比較されやすい要素を整理しましょう。

  • 価格
  • 品質
  • 専門性
  • 対応時間
  • 立地
  • 納期
  • 顧客対応
  • アフターサービス

これらの項目について、競合と比べて自社がどの点で選ばれやすいのかを記載しましょう。

記入例

開業予定地から徒歩10分圏内には、大手チェーンカフェ2店舗、パン店1店舗、コンビニ4店舗があります。

チェーンカフェは駅前に集中しており、席数は多いものの、焼き菓子ギフトや地域向け予約販売には対応していません。パン店は朝の需要に強い一方、午後以降のカフェ利用やギフト需要への対応は限定的です。

当店は、駅前チェーン店との価格競争ではなく、住宅地側の生活動線に立地し、焼き菓子の品質、予約のしやすさ、ギフト対応、地域顧客との関係性で差別化します。

取引先・取引関係等は、事業に関わる相手先と取引条件を整理する

取引先・取引関係等は、販売先、仕入先、外注先との関係を説明する欄です。

会社名や業種だけでなく、次のような取引条件まで整理しましょう。

  • 販売先:売上の回収時期、入金サイト
  • 仕入先:仕入代金の支払時期、支払サイト
  • 外注先:外注費の支払時期、支払条件

日本政策金融公庫のセルフチェックリストでも、入金や支払いのタイミングなど取引形態の記載が確認項目に含まれています。

特に法人向け取引では、請求から入金までに時間がかかることがあります。

売上は発生していても入金が遅れる場合、次の支払いを先に行う必要が生じます。

  • 家賃
  • 人件費
  • 仕入代金
  • 外注費 など

そのため、販売先ごとの入金時期と仕入先・外注先への支払時期を確認しておきましょう。

記入例

■販売先
・一般個人客、近隣住民、子育て世帯、近隣オフィス勤務者、シェア55%、掛割合0%、即日回収
・○○クリニック、○○不動産㈱、○○士業事務所など近隣法人、シェア25%、掛割合50%、末日〆翌月末回収
・○○マルシェ、地域イベント来場者、予約販売利用者、シェア20%、掛割合0%、即日回収

■仕入先
・○○製粉㈱、小麦粉・砂糖などの製菓材料、掛割合100%、末日〆翌月末支払い
・○○乳業㈱、バター・牛乳・生クリームなどの乳製品、掛割合100%、末日〆翌月末支払い
・○○包装資材㈱、ギフト箱・紙袋・包装フィルムなどの包材、掛割合100%、末日〆翌月末支払い

■外注先
・○○デザイン事務所、チラシ・ショップカード・ギフト用ラベルのデザイン制作、掛割合100%、納品月末〆翌月末支払い
・○○印刷㈱、チラシ・メニュー表・販促物の印刷、掛割合100%、末日〆翌月末支払い

従業員計画は、3ヶ月以上雇用する従業員数を記入する

従業員欄は、事業を運営するために必要な人員体制を説明する欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書では、創業に際して3ヶ月以上継続雇用を予定している従業員数を記入する欄が設けられています。

従業員を雇用する予定がある場合は、採用時期や担当業務も整理しておきましょう。

記入例

常勤役員0名、従業員数3名、(うち家族従業員)0名
(うちパート従業員)2名

お借入れの状況は、既存借入と返済負担を正確に書く

お借入れの状況は、既存の借入が事業資金の返済に与える影響を確認する欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書では、事業、住宅、車、教育、カード、その他の借入について、借入残高や年間返済額を記入します。

既存の借入がある場合は、次の項目を正確に整理しましょう。

  • 借入先
  • 使い道
  • 借入残高
  • 年間返済額

記入例

○○信用金庫○○支店、自動車ローン、残高90万円、年間返済額30万円

必要な資金と調達方法は、使い道と調達額を一致させる

必要な資金と調達方法は、開業に必要な資金の使い道とその資金をどのように用意するかを説明する欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書では、設備資金、運転資金、自己資金、借入金などを整理して記入する形式になっています。

作成時は、左側の必要資金の合計と右側の調達方法の合計を必ず一致させます。

また、見積書が必要な設備資金については、金額の根拠を資料で確認しましょう。

運転資金については、以下を踏まえて計算します。

  • 売上入金までの期間
  • 赤字が見込まれる期間
  • 在庫や仕入れの支払い時期

日本政策金融公庫のセルフチェックリストでも、見積金額の検証や事業開始後の運転資金の検討が確認項目に含まれています。

見積金額の確認と運転資金の検討を行い、必要資金と調達方法の整合性を整えましょう。

関連記事:開業費とは?計上できる費用と仕訳方法、節税のポイントを徹底解説

記入例

■設備資金
店舗兼工房の開設に必要な設備資金として、合計520万円

内訳
・物件取得費120万円
・内装工事費180万円
・オーブン・冷蔵庫・作業台などの厨房設備160万円
・レジ・ショーケース・看板などの販売備品60万円

見積先
・内装工事A社
・厨房設備B社
・販売備品C社

■運転資金
開業後の材料仕入、家賃、広告費、光熱費、消耗品費に充てる運転資金として、合計180万円

内訳
・材料仕入30万円×3ヶ月=90万円
・家賃15万円×3ヶ月=45万円
・広告費・光熱費・消耗品費15万円×3ヶ月=45万円

■調達の方法
必要資金は合計700万円

内訳
・自己資金200万円
・日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入500万円
・親族からの借入および他の金融機関からの借入は該当なし

事業の見通しは、売上高・原価・経費・返済を一体で確認する

事業の見通しは、創業当初と軌道に乗った後の収支を説明する欄です。

売上高だけを大きく見積もっても利益や返済余力が確認できなければ、計画としての説得力は高まりません。

まず、売上高の計算根拠を明確にしましょう。業種に応じて、次のような指標を使って積み上げます。

  • 販売数量
  • 客数
  • 客単価
  • 稼働日数
  • 契約件数
  • 受注単価

次に、売上原価と経費を確認しましょう。主に次のような費用を見込み、利益から借入返済ができるかを検討します。

  • 仕入高
  • 材料費
  • 外注費
  • 人件費
  • 家賃
  • 広告費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 支払利息

月平均では黒字に見えても、入金が遅れる月や支払いが集中する月には資金不足が起こる場合があります。

そのため、必要に応じて月別収支計画書資金繰り表も併用しましょう。

関連記事資金繰り予定表とは?作り方から経営に活かす方法まで徹底解説

記入例

事業の見通し(月平均)

項目創業当初1年後又は軌道に乗った後
売上高①188.9万円249.1万円
売上原価(仕入高)②62.3万円82.2万円
経費(人件費)50.0万円60.0万円
経費(家賃)18.0万円18.0万円
経費(支払利息)0.75万円0.75万円
経費(その他)32.0万円42.0万円
経費合計③100.75万円120.75万円
利益①−②−③25.85万円46.15万円

売上高、売上原価(仕入高)、経費を計算した根拠

■創業当初

①売上高(月26日営業)
店頭販売 1,000円×65人×26日=169.0万円
個人向けギフト、法人向けギフト、予約販売等 19.9万円
合計 188.9万円

②売上原価
原価率33%(勤務時の経験から、焼き菓子の材料費、ドリンク材料、包装資材を含めて算定)
188.9万円×33%=62.3万円

③経費
人件費 従業員1人 20.0万円
    パート従業員2人 時給1,250円×6時間/日×20日×2人=30.0万円
    合計 50.0万円
家賃 18.0万円
支払利息 500万円×年1.8%÷12ヶ月=0.75万円
その他経費 水道光熱費、広告宣伝費、通信費、消耗品費、保険料等 32.0万円
経費合計 100.75万円

■1年後又は軌道に乗った後

①売上高(月26日営業)
店頭販売 1,050円×82人×26日=223.9万円
個人向けギフト、法人向けギフト、予約販売等 25.2万円
合計 249.1万円

②売上原価
創業当初と同じく原価率33%で算定
249.1万円×33%=82.2万円

③経費
人件費 従業員1人 20.0万円
    パート従業員2人 時給1,250円×8時間/日×20日×2人=40.0万円
    合計 60.0万円
家賃 18.0万円
支払利息 500万円×年1.8%÷12ヶ月=0.75万円
その他経費 水道光熱費、広告宣伝費、消耗品費等の増加を見込み 42.0万円
経費合計 120.75万円

自由記述欄は、強みと課題への対応策を書く

自由記述欄は、創業計画書の各項目だけでは伝えきれない補足情報を記載する欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書では、アピールポイント、事業を行ううえでの悩み、希望するアドバイスなどを記入する欄として設けられています。

この欄では強みを並べるだけでなく、想定される課題と対応策も記載しましょう。

例えば、次のような項目です。

  • 売上が軌道に乗るまでの集客方法
  • 主要取引先への依存を下げる方法
  • 季節変動への備え
  • 仕入価格の上昇に対する対応
  • 人材不足時の業務体制

弱点や不安材料を一切示さない計画は、かえって現実味を欠く場合があります。

課題を把握し、どのように備えるのかを示すことで、経営者としての視野と準備状況が伝わります。

記入例

開業準備として、物件候補の貸主と条件交渉を進めており、内装工事、厨房機器、看板、POSレジについて見積書を取得済みです。保健所への事前相談も行っており、店舗レイアウトについて衛生面の確認を進めています。

販売面では、開業前のマルシェ出店により、LINE登録者428名、Instagramフォロワー1,820名を獲得しています。開業時には、既存登録者へプレオープン案内を送り、初月の来店につなげる計画です。また、近隣法人20社に対して、焼き菓子ギフトの案内資料と試食セットを配布し、月5件以上の法人注文獲得を目指します。

事業運営上のリスクは、開業当初の来店数不足、原材料価格の上昇、人材確保です。来店数不足に対しては、予約販売、テイクアウト、法人ギフトを強化し、席数に依存しない売上を確保します。原材料価格の上昇に対しては、商品ごとの原価率を毎月確認し、価格改定または内容量調整を行う方針です。人材確保については、開業当初はパート2名体制とし、事業主本人が製造・接客の中心を担うことで固定費を抑えます。

創業後は、毎月の試算表、売上日報、原価率、人件費率、現預金残高を確認し、返済に支障が出ない経営管理を行います。必要に応じて、税理士、商工会、金融機関へ相談しながら、計画と実績の差異を早期に把握する方針です。

創業計画書の書き方で説得力を高める成功ポイント

創業計画書の書き方で説得力を高める成功ポイント

創業計画書の説得力は、各項目を埋めるだけでなく、文章の分かりやすさ、数字の整合性、面談時の説明まで一貫して整えることで高まります。

ここでは、提出前に確認しておきたい文章・数字・面談準備のポイントを紹介します。

文章の確認は、専門用語より伝わりやすさを優先する

文章を見直す際は、専門用語を多く使うよりも事業の内容が一読で伝わる表現に整えましょう。

金融機関の担当者が、業界特有の技術名や商品名をすべて把握しているとは限りません。

そのため、専門的な説明を並べる前に、次の内容を平易な言葉で整理します。

  • 顧客が抱える課題
  • 提供する商品、サービス
  • 料金
  • 納品方法や提供方法
  • 利用後に得られる変化

読み手が業界知識を持っていなくても、誰に何を提供し、どのように収益につながるのかを理解できる文章に整えることがポイントです。

数字の確認は、合計と根拠を追い直す

数字の確認では、まず「必要資金」と「調達方法」の合計が一致しているかを見直します。

次に、事業計画の数字を次の順番で確認しましょう。

  • 売上の見込みに無理がないか
  • 原価の計算が適切か
  • 経費の内容と金額に漏れがないか
  • 利益が正しく計算されているか
  • 借入返済後に、手元資金が十分に残るか

あわせて、見積書の金額と計画書の金額が一致しているか、月別収支計画書と本文の数字にずれがないかもチェックします。

金額の突き合わせを行い、計画書全体の数字に矛盾がない状態に整えましょう。

面談前のチェックは、質問されそうな点を1枚にまとめる

面談前には、計画書の内容を自分の言葉で説明できるかを確認します。

特に、次の項目は質問されやすいため、事前に答えを整理しておきましょう。

  • なぜその売上を見込めるのか
  • 自己資金をどのように準備したのか
  • 借入金を何に使うのか

回答は、1枚のメモにまとめておくと説明しやすくなります。

メモは、次の流れで整理すると自然です。

  • 創業の動機
  • 商品、サービスの内容
  • 販売戦略
  • 資金計画

計画書と同じ流れで話せるようにしておくことで、面談時の受け答えに一貫性が出ます。

創業計画書の書き方で迷ったときの相談先

創業計画書の書き方で迷ったときの相談先

創業計画書は、自分でたたき台を作成したうえで、必要に応じて創業融資や税務・資金計画に詳しい相談先に確認してもらうと内容を整理しやすくなります。

ここでは、創業計画書の作成で迷ったときに検討したい主な相談先を紹介します。

日本政策金融公庫の支援窓口に確認する

日本政策金融公庫では、全国の152支店に「創業サポートデスク」を設置しています。

専任の担当者が、事業計画の整理方法や融資申し込みまでの進め方、利用できる融資制度について案内しています。

創業計画書の書き方で迷った場合や、融資申請までの進め方を確認したい場合は、相談先の一つとして活用するとよいでしょう。

税理士に相談すると数字と税務の整合性が整う

税理士に相談すると、創業計画書に記載する数字について、次のような項目を確認できます。

  • 売上計画
  • 経費
  • 資金繰り
  • 税金
  • 会計処理

創業計画書の数字を、融資審査のためだけでなく、開業後の経営管理にも使える形に整えやすくなります。

創業前に、事業主が売上計画や資金計画、税金の見通しを専門家と確認したい場合は、活用するとよいでしょう。

【まとめ】創業計画書の書き方を押さえ、融資担当者に伝わる計画に整えましょう

創業計画書の書き方では、創業の動機や経験、商品・サービス、販売戦略、資金計画、返済見通しを一貫して示すことが重要です。

数字の根拠や取引条件まで整理し、金融機関に事業の実現可能性と返済力が伝わる内容に仕上げましょう。

税理士法人Farrow Partnersでは、創業計画書の作成に必要な事業内容・売上計画・資金計画・損益計画を一つひとつ整理しながら、これから開業される方や創業融資を検討されている方をサポートしています。

「創業計画書に何を書けばよいかわからない」「金融機関に効果的に伝わる内容にしたい」といったご相談も、資金繰りや融資申請の準備とあわせて一緒に整理いたします。

ご自身だけで悩みながら作成を進める前に、気になることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ | 横浜市都筑区の税理士法人 Farrow Partners(ファローパートナーズ)

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